「受け継がれる 讃岐漆芸」香川県漆芸研究所修了作品展
5月21日(土)から
私の作品を含む
香川県漆芸研究所所蔵の修了作品が
丸亀市にある中津万象園にて展示されます。
少女像と壁面立体作品で
「不知の知」と「初心」
という、今の時代にきっと必要で大切だと
思う事の一つをテーマに表現しております。
壁面作品は
まだ知らない対象を知ろうとする
過程の意識を比喩的に表現。
少女像は
大人になって大切な事を忘れてしまっていると
気付いた少女が昔の初心を思い出そうとして
幼き日の少女が大人になった自身の中で
重なりながら初心を思い出すよう語りかけて
いるような、そして少し哀しげで、
でも未来へ希望を抱き、内に秘める強い意志
を感じさせるような、相反する感情が混合した
表情づくりに神経を注ぎました。
私は今まで2型の乾漆作品をつくった事がなく、
せっかく造形の先生と伝統工芸の先生が
いらっしゃる貴重な環境でしたので、
3年前期まで器物の課題をこなしたのちに
修了作品で脱乾漆像を選び、立体に
蒟醤を施すという事をやりたい...と、
入った当初から考えていました。
なぜなら異なる時間軸を繋げる上で、
異なる時間に重ねた層が同時に表層に現れ
かつ自由に模様を彫れる蒟醤は、
刻の重なりや意思を感じさせる表現が
できるような気がしていたからです。
重ね方や研ぎ出し具合など、まだまだ模索が必要だと感じていますが、表現したかった
ものに近付けていると確信しています。
正直、研究所は伝統工芸の技術を学ぶ機関
であり、あまり伝統とかけ離れた事をすると
他の産地の先生方からもあまり良い目では
見られない傾向を感じていたので、
先生方には申し訳ない気持ちもありました。
しかし、恐る恐る思いをお伝えした所、
私の気持ちを汲んで下さったのか
つくる事を許して下さったんです。
本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。
今後も過去と現在をテーマにした作品を
制作していくつもりですが、
当時私の世界観の中で必要だと考えていた
少女は一人だけでよかったので、
恐らく少女は今の所つくらないと思います。
今後暫くはアートの分野では
パネル作品をメインに制作予定です。
そういえば....
漆の白で肌の色を再現しているのですが、
作品完成から約1年が経ち、少し白くなって
いるのではないだろうか...
青白くなっていない事を願います。^^;
2022年5月21日(土)~7月3日(日)
◇ 中津万象園・丸亀美術館(丸亀市)
◇ 香川漆芸研究所修了生の作品展示
【対象】 一般
【入場料】 特別展のみ 大人 / 500円
小・中学生 / 200円
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